2006-01-01から1年間の記事一覧

よいお年を・・・

ここ一ヶ月忙しくて更新できなかったのですが、再開です。 隙を見て地道に写真をアップしていこうと思っています。 2007年は一日一写真を習慣ずけたいですね。 ともあれ。 2006年に撮った風景は、一度記憶の中に見送ることにします。 皆さん、よいお年と、よ…

Miss.Annに会ってきた

Miss.Annは正確に言うと、人ではない。 Miss.Annは恐らく実在するけど、実際よく知られているのは、Miss.AnnがJAZZの有名な曲だから。 僕の日記にたびたび出てくる、僕の大好きなJAZZ SAX奏者のERIC DOLPHY。 彼が正に死ぬ直前に吹き込んだ「LAST DATE」って…

贅沢

ある宿に泊まったとき。 障子に朝日が射して、そこで見た風景に、確かに美意識を感じたんです。 日本が昔から、少しづつ積み重ねてきた意識のことです。 真っ白い和紙の空間は、光と共に遊ぶものだということを、僕はいつの間にか知っていました。 そこに落…

こういう

何でもない写真が好きだったりする。 被写体をしっかり真ん中に据えて。 究極的には、こういう普通の風景を撮りたいのかも知れない。 一方で、平穏さとは別の、もっとハリセンボンみたいに周囲に対してトゲを突き出すような、混乱の塊がうごめいているよな風…

壁の時

時間の染み込んだ壁。 壁が生まれて、何度も雨が降って、屋根の時間がつたって来て、屋根の淡い紅が壁に染み込んで、壁は一人の人生を生きているのではない。と感じます。 時間の染み込んだ風景は、それ自体生き物のように感じます。 壁も歳をとる。それで、…

一人で生きるより。たくさんで生きるより。

たくさんの花より 一輪の花 一輪の花より たくさんの花たくさんの街より 一つの街 一つの街より たくさんの花咲く、たくさんの街 今日は三上寛さんのLIVEに行ってきました。寛さんは60年代から活躍する偉大なフォーク・ミュージシャンですが(寺山修司が好…

田中 泯

舞踊家・田中泯の独舞「透体脱落」を、世田谷パブリックシアターで見てきました。 泯さんは、映画「メゾン・ド・ヒミコ」のゲイのママ役で出てましたね。 泯さんの裸体は、老いても実に美しかったです。 圧倒的なんですね、体が。 身体に問い続け、傷め続け…

飴食い

地方の女の子は、少しだけ顔に硬い印象があります。 皮膚に、独特の「張り」があるんです。 太陽や風、雨や夜の空気に、都会の子より長く触れているからでしょうか。 硬い。というのは、性格的なことを指しているのではなくて、生活する強さのようなものです…

80年

物心着いたときから、お土産屋のお会計の席に座っている、というお婆さん。 齢90とか。 同じ座布団に、お婆さんは毎日、80年もの間腰掛けて、それで手に入れた幸せがあるといいます。 変化の目まぐるしい東京で幸せを掴めない人もいれば、こうして同じ場…

その気になれば

時間を数えてみせる コーラを飲むタバコを吸う ポケットをさぐる金はある その気になったら 夏の終わりの海が見えるのに ・・・今日は引用詩。 フォークの巨匠、中川イサトのアルバム「1970」から。 夏の終わりの海を見に行けるのに、行かないのは、何で…

ライトセーバーの灯

オモチャでも、人を切ることは出来るんです。 写真の魔法を感じた、闇夜の一枚。 祭りの灯が消えると、少年の光る剣は、まるで灯台のようでした。 光に虫が吸い込まれるように集まるのと同じで、その小さな灯台をめがけて、僕のレンズも光に吸い込まれます。…

仕事が済んでいつもの地下鉄に乗っていると、今日は祝日だったので空いた席に座れたのですが、僕の向かいの席にとても印象的な三人の女の子がいました。 20歳くらいの、目の細い女の子。(金髪ショート)と、20歳くらいの目の細い女の子。(黒髪ロング)と、…

初トンボ

子供のころ、竹トンボは凶器だった。あの羽の部分が、どうしてもカミソリを連想させて、ぐるっと勢いよく回転させて飛ばすと、自分にその刃先が刺さりそうな気がしていたから。しかも、それで本当に自分が死ぬイメージを想像してた。 まるで大根でも切るみた…

山苺

ヤマイチゴ。 ヘビイチゴ。じゃありません。 盆地の『へり』にあたる小高い山の斜面があって、草を分け分けそこをだらだらと歩いていたら、イチゴ、がありました。 いや、ほんとは傘です。イチゴ、のような傘。 赤くて、粒々があって。 甘い匂いはしなかった…

球粒

すぱん! と、ボールをキャッチする音が、空気の粒粒に混じって、山の隅々まで響きそうです。少年が投げる向こう側は結構遠くて、一振り一振りに合間があって、そのリズムが気持ちいです。彼の投球の小気味いい律儀な所作が、山の中の運動場に透明な残像を残…

日々は静かに発酵し。

秋雨のような呼吸が、静かに聴こえてきそうな写真。 少女は声を出さずに、誰にも気付かれないように、ひっそり泣いているのでしょうか? 季節の移り目に、人の心の繊細な部分をよく街で見かけるようになります。 寒さの厳しい冬を迎える前の、微かな不安と強…

水と花

水が、うっすら緑色なのがいい。 樹々があるところの空は、うっすら緑色に見える。 そういうところの空の色が好きです。 この写真を撮ったところは、山の中の小さな茶屋でした。 茶屋のおばさんが笑うと、ごく微かに緑色の呼吸が見えるようで、ああ、この土…

実は

この子です。邪気の正体は、この子です。 ほんと子どもってずるいなぁ。 彼らが素に戻ると、もうこっちはシャッターを押すだけの存在になってしまう。 「子どもを撮る」って行為に、僕の意思が入る余地がなくなり、ただ、シャッターを切るだけになってしまう。…

邪気にさらわれて

邪気をコントロールできていない状態が、無邪気。と考えます。 もしくは、邪気が常識の範疇を超えた部分のことを、無邪気。と括ってみます。 実際、子どもは邪気の塊だと思います。悪戯を考えるエネルギーが大人より原始的でありながら、しかしそれは熱い創…

記憶

車窓から一旦眼に入ってきた風景が、心の底に少しづつ降り積もっていく。恋をし、挫折をし、徐々に変化していく。 それが記憶。 少年が、いずれ老いて、死ぬ間際に見る記憶は選択できない。 けど、それを豊かにすることは出来る。 方法は誰も知らない。自分…

白太刀の剣士

久々に、凛々しい顔を見ました。 白い太刀筋が残りそうな、そんな一刀をこれから見せてくれるんでしょう。 僕は小学校の頃剣道をしていて、いざ死合(試合)のとき、一度だけ物凄く強い剣士がそういう白太刀を振るっているのを、見たような記憶があります。感…

Booker Littleのいる焼き鳥バー。

僕の大好きなトランペット奏者。もう50年も前、突然亡くなった素晴らしいJAZZMANで、彼の紡ぐ優しいけど寂しい音が本当に好きなんです。 こないだ何気なく入った焼き鳥バー。料理人のオーナーは手が空くとトランペットを吹いてくれる。その時はお客さんの…

海から来た先生

高校生のころ、僕はよく亀の死体を授業中にイメージしていました。 教卓の上に、大きな親アカウミガメの腐った屍骸。 実は、それは僕が実際に目にした光景です。 小学生の頃、ボランティアの一環ででアカウミガメの保護活動をしていて、朝五時くらいに海岸沿…

眼の力

僕は眼の力を信じる。この子は、僕が泊まった宿の息子さん。 まっすぐに、カメラを見てくれた。 もちろん、幾分かの緊張や戸惑いもあったと思う。 でも、それだけがこの眼の力の原因じゃない、と思う。 岡山の高梁。 街全体が一つの家のようであり、非常に親…

ヴィム・ヴェンダースは映画を撮るとき、絶対25㎜のレンズを使う。それが、彼のロード・ムーヴィーの約束。 小津 安二郎は映画を撮るとき、絶対50㎜のレンズを使う。それが、OZU映画の約束。 映画を撮る人、写真を撮る人にとっては、自分の㎜に出会う…

飛ぶ。

女の子が竹とんぼをしている場面に遭遇。お兄ちゃんやお母さんと一緒に、とんぼが飛ぶように練習するけど、なかなか飛ばず。 それでも彼女は、ちっとも悲しそうな表情をしない。 また、ひたむきに竹の芯をくるくるさせる。 女の子は、飛ぶ。って言葉を知らな…

一人旅写真 6

右側の子が、左側の子にちょっと気を遣っている感じがいいと思います。割と好きな1ショットです。 うっかりすると見過ごしそうなところに、人の機微ってありますよね。写真で見ると、右側の男の子の頭が、ほんの少し左側に傾いているだけなんですけど・・・…

一人旅写真 5

悔しいくらい、いい顔をしてる犬。の置物。 いい顔。というのは、置物なのに妙に人くさい表情をしているからです。その犬の置物が作られて10年以上たっているとしたら、その月日の流れた分だけ、きちんと喜びと悲しみを抱えているような顔をしているんです…

忘れたくないもの。

風景は、繋がっている。 Kieth Jarrettのことを考えます。Kieth Jarrettは白人のJazz Pianistです。 白人の彼が頭角を現したのが60年代末、Jazzが黒人のイディオムに囲まれた、ある厳しい緊張の真っ只中。 彼はJazzを理解したくてアフリカ人のように髪を豊か…

一人旅写真 3

何のボールかビーチボールほどで透明な、とにかくその少年はボールを追いかけるのに夢中でした。 たまたま盆祭りの最中で、ものすごい人でした。 その渦中にいた少年です。 祭りに集まる人々は、それぞれに寄りたい出店があって、話したい人がいて、見たい提…