眼の力

kaelshojo2006-09-09


僕は眼の力を信じる。

この子は、僕が泊まった宿の息子さん。




まっすぐに、カメラを見てくれた。




もちろん、幾分かの緊張や戸惑いもあったと思う。
でも、それだけがこの眼の力の原因じゃない、と思う。


岡山の高梁。
街全体が一つの家のようであり、非常に親しみ易い反面、同時にその社会はとてもとても狭い。

ごく血の近い者同士が結婚し、子どもを作る。


血の濃い家系がある。


この街の住人誰でも。



僕は実家が田舎だから、それが分かる。

皆の顔が何となく似ているのだ。
一見、外の人から見ると分かり難い差異だけど、それは、とてもはっきり映る。


その因果を、この子ははっきりと眼に宿していた。
高梁で生きる、という宿命を負った眼。


その覚悟が、田舎を離れた僕には、苦しいくらいに美しいんです。


どこへ引っ越しても、濃い赤味を帯びた視線が追いかけてくる。
その追走劇はどこか滑稽で、切なくて、僕の生きる人生を象徴している。

この劇からは、到底逃げれそうにないなぁ(笑)




この子の眼は、きれいだ。


心から、そう思います。