2006-10-01から1ヶ月間の記事一覧

山苺

ヤマイチゴ。 ヘビイチゴ。じゃありません。 盆地の『へり』にあたる小高い山の斜面があって、草を分け分けそこをだらだらと歩いていたら、イチゴ、がありました。 いや、ほんとは傘です。イチゴ、のような傘。 赤くて、粒々があって。 甘い匂いはしなかった…

球粒

すぱん! と、ボールをキャッチする音が、空気の粒粒に混じって、山の隅々まで響きそうです。少年が投げる向こう側は結構遠くて、一振り一振りに合間があって、そのリズムが気持ちいです。彼の投球の小気味いい律儀な所作が、山の中の運動場に透明な残像を残…

日々は静かに発酵し。

秋雨のような呼吸が、静かに聴こえてきそうな写真。 少女は声を出さずに、誰にも気付かれないように、ひっそり泣いているのでしょうか? 季節の移り目に、人の心の繊細な部分をよく街で見かけるようになります。 寒さの厳しい冬を迎える前の、微かな不安と強…

水と花

水が、うっすら緑色なのがいい。 樹々があるところの空は、うっすら緑色に見える。 そういうところの空の色が好きです。 この写真を撮ったところは、山の中の小さな茶屋でした。 茶屋のおばさんが笑うと、ごく微かに緑色の呼吸が見えるようで、ああ、この土…

実は

この子です。邪気の正体は、この子です。 ほんと子どもってずるいなぁ。 彼らが素に戻ると、もうこっちはシャッターを押すだけの存在になってしまう。 「子どもを撮る」って行為に、僕の意思が入る余地がなくなり、ただ、シャッターを切るだけになってしまう。…

邪気にさらわれて

邪気をコントロールできていない状態が、無邪気。と考えます。 もしくは、邪気が常識の範疇を超えた部分のことを、無邪気。と括ってみます。 実際、子どもは邪気の塊だと思います。悪戯を考えるエネルギーが大人より原始的でありながら、しかしそれは熱い創…

記憶

車窓から一旦眼に入ってきた風景が、心の底に少しづつ降り積もっていく。恋をし、挫折をし、徐々に変化していく。 それが記憶。 少年が、いずれ老いて、死ぬ間際に見る記憶は選択できない。 けど、それを豊かにすることは出来る。 方法は誰も知らない。自分…

白太刀の剣士

久々に、凛々しい顔を見ました。 白い太刀筋が残りそうな、そんな一刀をこれから見せてくれるんでしょう。 僕は小学校の頃剣道をしていて、いざ死合(試合)のとき、一度だけ物凄く強い剣士がそういう白太刀を振るっているのを、見たような記憶があります。感…