2006-11-01から1ヶ月間の記事一覧

贅沢

ある宿に泊まったとき。 障子に朝日が射して、そこで見た風景に、確かに美意識を感じたんです。 日本が昔から、少しづつ積み重ねてきた意識のことです。 真っ白い和紙の空間は、光と共に遊ぶものだということを、僕はいつの間にか知っていました。 そこに落…

こういう

何でもない写真が好きだったりする。 被写体をしっかり真ん中に据えて。 究極的には、こういう普通の風景を撮りたいのかも知れない。 一方で、平穏さとは別の、もっとハリセンボンみたいに周囲に対してトゲを突き出すような、混乱の塊がうごめいているよな風…

壁の時

時間の染み込んだ壁。 壁が生まれて、何度も雨が降って、屋根の時間がつたって来て、屋根の淡い紅が壁に染み込んで、壁は一人の人生を生きているのではない。と感じます。 時間の染み込んだ風景は、それ自体生き物のように感じます。 壁も歳をとる。それで、…

一人で生きるより。たくさんで生きるより。

たくさんの花より 一輪の花 一輪の花より たくさんの花たくさんの街より 一つの街 一つの街より たくさんの花咲く、たくさんの街 今日は三上寛さんのLIVEに行ってきました。寛さんは60年代から活躍する偉大なフォーク・ミュージシャンですが(寺山修司が好…

田中 泯

舞踊家・田中泯の独舞「透体脱落」を、世田谷パブリックシアターで見てきました。 泯さんは、映画「メゾン・ド・ヒミコ」のゲイのママ役で出てましたね。 泯さんの裸体は、老いても実に美しかったです。 圧倒的なんですね、体が。 身体に問い続け、傷め続け…

飴食い

地方の女の子は、少しだけ顔に硬い印象があります。 皮膚に、独特の「張り」があるんです。 太陽や風、雨や夜の空気に、都会の子より長く触れているからでしょうか。 硬い。というのは、性格的なことを指しているのではなくて、生活する強さのようなものです…

80年

物心着いたときから、お土産屋のお会計の席に座っている、というお婆さん。 齢90とか。 同じ座布団に、お婆さんは毎日、80年もの間腰掛けて、それで手に入れた幸せがあるといいます。 変化の目まぐるしい東京で幸せを掴めない人もいれば、こうして同じ場…

その気になれば

時間を数えてみせる コーラを飲むタバコを吸う ポケットをさぐる金はある その気になったら 夏の終わりの海が見えるのに ・・・今日は引用詩。 フォークの巨匠、中川イサトのアルバム「1970」から。 夏の終わりの海を見に行けるのに、行かないのは、何で…

ライトセーバーの灯

オモチャでも、人を切ることは出来るんです。 写真の魔法を感じた、闇夜の一枚。 祭りの灯が消えると、少年の光る剣は、まるで灯台のようでした。 光に虫が吸い込まれるように集まるのと同じで、その小さな灯台をめがけて、僕のレンズも光に吸い込まれます。…

仕事が済んでいつもの地下鉄に乗っていると、今日は祝日だったので空いた席に座れたのですが、僕の向かいの席にとても印象的な三人の女の子がいました。 20歳くらいの、目の細い女の子。(金髪ショート)と、20歳くらいの目の細い女の子。(黒髪ロング)と、…

初トンボ

子供のころ、竹トンボは凶器だった。あの羽の部分が、どうしてもカミソリを連想させて、ぐるっと勢いよく回転させて飛ばすと、自分にその刃先が刺さりそうな気がしていたから。しかも、それで本当に自分が死ぬイメージを想像してた。 まるで大根でも切るみた…