㎜
ヴィム・ヴェンダースは映画を撮るとき、絶対25㎜のレンズを使う。
それが、彼のロード・ムーヴィーの約束。
小津 安二郎は映画を撮るとき、絶対50㎜のレンズを使う。
それが、OZU映画の約束。
映画を撮る人、写真を撮る人にとっては、自分の㎜に出会うのが一つの目標かもしれません。
必ず、その人の絵になる㎜。
それを探すのは容易なことではありません。けど、見つけたとき、その人の人生は決定的なものになるでしょうね。
なぜ、Eric Dolphyが数あるJazzの楽器の中で、バスクラリネットを選んだだろうか?(彼は僕の大好きなJazz Saxphonistで、僕にとっては一番神秘的な人です。)
僕はこの旅にあたって、30㎜のレンズのみを使いました。
撮った写真が自分にとって何をもたらしたか、まだ何の実感もわいていません。
ただ、Eric Dolphyの音はどこかで意識していました。
ひょっとすると、いつかこのレンズの㎜が僕のものになってくれるかもしれません。当然、なってくれないかもしれません。
しばらく30㎜に付き合ってみようと思います。