アレ神

ラーメン屋で冷やしラーメンを食べていました。夜ね。


で、隣の席がバイト帰りの若いあんちゃん二人で、すごいテンションで喋ってました。



↓多分、後輩
「やっぱアレっすね、おれは女といるより、男といたほうがアレっすね。女って、気を遣うからアレっすよね、遊園地行ってもいまいちアレじゃないすか、やっぱ、男の方がアレだし、おれは、男と遊んでる方が好きっすね」

↓そして、先輩
「あー、おれもカラオケは女とはアレだな、うん、お前、童貞?」(切返し早)


      (大・爆・笑)


↓後輩
「先輩、それちょっとアレじゃないすか?ひでー」

↓先輩
「このラーメン、お前のアレくっせぇ」


      (大・爆・笑)



なるほどなー。と感じるのは、彼らのコミュニケーションの中核をなすのが「アレ」にあるところです。


「アレ」って、何なんだろう?


すごい抽象的で、愛情に満ちて、普遍的で、あまりに多義で、無意味で、謎な言葉です。


若い人の多くは、「アレ」に対して、無意識のうちに特殊な敬意を払っていたりするんでしょうか。ちょうど、“神様”の発する(本当に)何気ない言葉に、信者の多くが深遠な意味を求めたように。

「アレ」には、そういう風格があるかもしれません。




           >神格




アレが、来るよ、今夜。世界は支配されます。アレが現れて、世界がアレになったら、僕はアレをもって、アレしに行くのです。それが、人としてアレってもんです。



アレー、意味分かんない・・・・・




と、一人ボケてる時、ラーメン屋におっさん客が現れた途端、

「いらっしゃいませ!」

と、アレな若者二人が云っていました。どうやら、二人は飲食店でバイトしてるようで、自分が客なのに思わず「いらっしゃいませ」と云っていることに対して、色濃くウけていました。



ウけていたけど、それはブルースでした。仕事をして、ぎりぎりのところで世界につなぎとめられている人の、深い深い、悲しみの歌。


働いてる人には、きっと彼らがブルースを歌っているのだと、分かると思います。



自分の中に、新しい詩の感覚が生まれて、その感覚は成長させちゃ、だめー(笑)。


枯らして、風にさらわせて、あげろや!!!